地球滅亡後の世界で、君と出会った秘密
「まぁ、信じてもらえないでしょうね。でも本当のことなので。では」
では、と言ったその人は私に向かって優しく手を差し伸べていた。
もうこの人の行動が理解不能だった私は、俯いて彼の横を走り抜けようとしてみた。
…でも、やはりそれは叶わない。
彼はスっと体を横に滑らせ、私を通さなかった。
更にずっと微笑んでいる。
…無理。怖い。嫌だ。何この変人。
私は睨むこともできなくなった。
足がどんどんすくんできた。
「わっ、ちょっ…怖がらないでください。大丈夫ですから」
「大丈夫って…どこからどう見ても大丈夫じゃないから…」
すると、彼はふぅと軽くため息をつき、私に跪(ヒザマズ)いた。
「すみません。高畑梨衣子さん。あなたにお願いがあります」
俯いている私と目が合う。