夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

(3)


ーーこれは、夢?

私は大きな広いソファーに座らされて、茫然と固まっていた。

だって、私にとっては夢のような出来事だ。
さっきカジノで出会ったおじいさんが、実は夢の配達人のマスターさんで……。
私は今、夢の配達人の隠れ家にいる。


先程までいたカジノの奥に暗証番号付きの隠し扉があって、そこを潜ると目の前に広がっていたのは……。

ーーなんと。
地下に造られた、まるで町のような場所。

夢の配達人の関係者が住んでるのかな?
点々と建物がいくつか並び、中央には広々とした広場。

その奥には大きな施設のような建物。
これが、夢の配達人のアジトなのだろう。


そして……。
ここはおそらく、そのアジトの中のマスターさんのお部屋だ。

奥には木で出来た大きくて立派な仕事机、部屋の壁際には本や束ねた資料が収納されている棚やロッカー。

マスターさんがどんなお仕事をするのか分からないけど、とにかくこの空間を見て「すごい!」としか言いようがなかった。
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