夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

(4)


シュウさんに案内されて、私はバロンが休ませてもらっている隠れ家内の医務室へやってきた。


「!……バロン」

「今は薬で眠ってます。
夢の配達人が使う特別な薬ですから、目が覚めたらもう大丈夫だと思いますよ」

奥のベッドで横になっている彼を見付けて私が心配そうに駆け寄ると、シュウさんは優しくそう言ってくれた。


確かに。
勝負直後は真っ青だったけど、今は顔色も良くて、よく眠っている。

バロンの様子にホッと一安心だ。


「ありがとうございます」

「……では。私はこれで」

私のお礼を聞いてシュウさんは軽く頭を下げると、静かに医務室を出て行った。


「……。
無理させちゃって、ごめんね?」

二人きりの静かな部屋。
私はベッドの脇にあった椅子に座って、バロンの寝顔を見つめる。
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