夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
後日談

(1)

【アカリ17歳の3月2日】

ここは港街にある、ヴァロンの……。

ーーううん。
ヴァロンと、私のお家の一室。


今日は誕生日前日。
私は明日、18歳になる。

そして……。


「アカリ。また見てんの?」

「!……ヴァロン。おかえりなさいっ」

幸せに浸っていた私はハッとして、帰宅したヴァロンに駆け寄る。


「ただいま」

部屋の入り口で出迎えるとヴァロンは優しく微笑みながら肩を抱いてくれて、さっきまで私が眺めていた物を見つめた。

それは、壁際に飾られたキラキラ輝く美しい純白のウェディングドレス。
ヴァロンが春生まれの私にプレゼントしてくれた、桜の刺繍が施されたドレス。


明日は私の18歳の誕生日。

そして、私とヴァロンの結婚式だ。
< 375 / 475 >

この作品をシェア

pagetop