夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

「仕事の問題まで解決されたんじゃ、認めない訳もいかんだろう?
……。君なんだろう?
婚約先に、私の会社と今まで通りの取り引きを了解させたのは」

「!……え?」

私が気になっていた、もう一つの問題。
私との婚姻が破棄になって、アルバート様達の仕事や生活は大丈夫なのかという事。

……そういえば。
ヴァロンが夜中によく眺めてた資料やデータ。
なかなか思い出せなかったけど、以前一度だけローザから聞いた……。
私の嫁ぎ先の名前の、ものだった。


「私は、自分がほしいものに必死になっただけです。
自分の夢を、叶えたかっただけです」

ヴァロンは顔を上げて、微笑む。


「アカリさんに微笑っていてほしい。
笑顔のアカリさんに傍にいてほしい。
それが、私の夢です」


っ……ヴァロン。
貴方は、どこまで……。
私に幸せを、くれるの?

もう、涙が止まらない。
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