夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

扉が閉まるバタンッ!という音と共に、一気に高まる安心感と喜び。


バロンと、二人きりだぁ〜。

さっきまでのモヤモヤした気持ちが、嘘みたいに晴れていく。
苦手なダンスのレッスンに違いはないのだが、相手がバロンだというだけで喜びの時間に変わる。


しかし、二人きりになった途端。


「……ふっ、あははははッ!」

嬉しくて嬉しくて、ご機嫌になる私に届く笑い声。
バロンが、お腹を押さえて笑い出したのだ。


「!……な、なに?どうしたのよっ?」

一体何事?と、突然身を捩って大笑いする彼に近寄ると、顔を覗き込む。


「だ、だって……。
アカリがすごい視線で……見てくるからっ!」

「!っ……き、気付いてたのっ?」

お腹を抱えて、目には涙浮かべる程に笑いながら答える彼。
ムッとして見ていた事がバレていたのだと分かり、恥ずかしくなった私は真っ赤になった。
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