Kissしちゃう?
第十三章
     13
 二〇〇八年のクリスマスイブの日は一際冷え込んでいて、僕は朝から温かいコーヒーを二杯飲み、完全に眠気を覚ました。
 

 もう、早紀にモーニングコールは要らない。


 彼女は朝も自力で起きられるからだ。


 その日、僕は毎日欠かさず見ている占いで、自分の運勢が今日は大凶であるのを知った。


“何かあるのかな……?”


 僕はいぶかしみながらも、ネットを使っていろんな情報を仕入れ始める。


 僕の場合、一日がインターネットを覗くことから始まってゆくのだ。


 やはり作家、しかも金銭を伴う職業作家を目指しているからだろう、僕はネタを仕入れることに対し、躊躇いや惑いは全くと言っていいほどなかった。


 そして来年一月末締め切りの原稿を無事脱稿する。


 僕の公募する賞は幸いにして上限がなかったので、なるだけ多めに書いて、そのまま賞を主催する出版社の係にメールで送った。


 今は一々原稿を紙に印字して送るという時代ではない。
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