俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい

強引に踏み込むプライベート


迎えた金曜日、クリスマスムード一色の街中の、とあるスペインバルで歓迎会が開かれた。

今月は不破さんを呼んでの忘年会も開かれるため、エイミーが声をかけて集まってくれたのは十人ほど。私はどちらかというと少人数での飲み会が好きだから、このくらいがちょうどいい。

オープンキッチンが明るくオシャレな店内で、数々の美味しいタパスとお酒をお供に、わいわいと楽しんでいた。

隣り合うふたつのテーブル席に分かれ、最初は皆で話していたものの、次第にそれぞれのテーブルで盛り上がり始める。

だいぶお酒が進んできたところで、私は同じテーブルの三人に、数日前も考えていた疑問を投げかけてみた。まずは、隣に座るエイミーが答える。


「ボスがどうして調理師を辞めたのかって? うーん、それは知らないなぁ。彼、自分の過去の話はまったくしないから」


やっぱりそうだよね、と頷く私。誰にも知られたくない!とかいう頑なな感じは受けないけれど、あえて話すこともしないのだろう。

すると、エイミーは私の正面に座る専務に視線を移す。


「あ、イクミンは知ってるんじゃないですか? ボスとは前から仲いいんだし」
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