俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
ずっと、ずっと欲しかったシンプルな五文字。それをやっと聞けた嬉しさと幸せで、目尻から涙が溢れ、こめかみを伝った。

その雫をキスで拭った雪成さんは、私の髪を撫でて一時だけ穏やかな笑みを見せる。


「こんなクサいセリフが、自分の口から自然と出るとはね。初めてだよ」

「……もっと言って?」


素直な気持ちを口にして、彼の首にしがみついた。

雪成さんは一瞬目を丸くしたものの、すぐに困った顔になり、肌を密着させて私を強く抱きしめてくる。


「そんなに可愛くおねだりされると、余裕なくなる」


耳にキスをしながら囁かれた直後、激しく攻め立てられ始め、私のほうがどうにかなりそうなほどの快感が全身を駆け巡る。

余裕がなくなると言いつつも、彼はそれからもたくさん愛の言葉をかけ、私を幸福で満たしてくれた。最高だと思ったクリスマス以上に。

これからも、この幸せの記録をふたりで塗り替えていけたらと、恍惚に浸りながら真剣に願った。


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