私の好きな警察官(ひと)!

香恵side



いつもより早くアラームをかけて眠りについた私は、アラームの音にスマホで時計を確認して『まだ早いじゃん』なんて、眉間にシワを寄せた。



それからすぐに、どうしてアラームをいつもより早く設定したのか思い出して、二度寝しようとしていた身体を無理やり叩き起したのが、かれこれ1時間前。



そして只今の時刻7時30分。



私は未だにたこ焼きの匂いが残る自分の部屋で、家を出る前の最終チェックをしているところだ。


窓の鍵は閉まってる、ガスの元栓は閉めたし、エアコンもテレビも消した。



「ヨシッ!」



昨日の蓮見さんの言葉を思い出して、ニヤける口元を隠しきれずに玄関を出れば、今日はいいことありそうかも!……なんて思わせる雲ひとつない空に大きく息を吸って、



数歩歩き出してから、「あ!」と思わず声を漏らして、慌てて部屋の鍵をかけに戻った。



8時までに来いよって昨日蓮見さんは言ったけど、あれは『会いに来いよ』って事だったのだろうか。


それともやっぱり、いつもの私のしつこさに半ば諦めに近い感情で言ってくれたのだろうか。



考えたって私は蓮見さんじゃないし、到底分かりっこないんだけれど。考えてしまうのは、蓮見さんを思う私の恋心故。



「急ごっ!」



たった5分の道のりだけど、余裕で8時前に着くんだけど、それでもやっぱり少しでも早く蓮見さんに会いたい!って思うのもやっぱり恋心故。



今日も超絶かっこよくて、超絶ツレないこと間違いなしの彼を思うと、私の胸はジリジリと勝手に焦がれていく。

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