ニコニコ星人にご注意を

待ち合わせた場所で、待ってる間も
ドキドキが止まらない。


でも。

よく考えなよ、ミチカ。
あいつは…結婚…してるんだよ?


わかってる。このドキドキが、何のためにも
ならないって。
何にも始まらない。

わかってても、今あたしはここにいる。
それが、すべて。


しばらくして、ニコニコ星人が現れた。

お待たせ!ごめん。遅れたー。
お詫びに、美味しいお店連れてくね。
さ、いこいこ。

そう言って、さっさと歩いていく後ろ姿を、
見失わないように追いかけた。

振り向いて、笑う顔が…

ずるい。

ホントにこいつ、変わってない。

変わってるはずなのに…。


オシャレとは言いがたい、ガヤガヤした
お店に入って、向かい合わせに座り。

注文したビールで、乾杯した後。

さてさて?
ミチカ、久しぶりだねぇ。と、
あたしを見つめる。

うん…。まあ…
アオトは、相変わらずみたいだけどね?

じとーっと見つめるあたしに、ぷっと吹き出し

ミチカもねー。ほんと、変わってないや。
なんだか、嬉しいわ、俺。

細いビールグラスを、かぱっと開けて
おかわりくださーい。と、言うと

店のおばちゃんが、アオちゃん女の子連れて
来るなんて珍しいねぇ。と、笑ってる。


珍しい…?



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