にせもの王子さま
王子さま発見!?

開いた扉から出てきたのはひとりの男性。
その人を見た瞬間、思わず固まってしまった。

まわらない頭で、必死に考える。

私、あまりにも現実から逃げたくて、幻覚が見えてるのかな・・・?

いやいや、幻覚ってさすがにヤバいでしょ。
ねぇ、あの人が見えてるのって私だけじゃないよね!?

思わず目を擦って確認して、を何度も繰り返してしまう。
何回しても、やっぱり、その人はそこにいる。

もしかして、本当にいた・・・?
いたかもしれない!
いや、いた!
いた、いた、いた!
見つけたかもしれない、王子さま!!

フラフラと吸い寄せられるように、その人の方へと近付いて行く。

ガッ。

車道と歩道の境にあるガードレールに行く手を阻まれた事で、自分が車道へ出てしまいそうだったと気付いた。
でも、そんな事よりも。
< 17 / 68 >

この作品をシェア

pagetop