憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
戦略会議に使う資料は、文書だけでなく表やグラフも必要になる。オフィスの重役達も見るし、文字の大きさなんかにも気配りが必要。


(良かった。坂巻さんが帰ってなければ、今頃は自分一人で頭を悩ませているところだ)



……でも、坂巻さんは良かったのかな、と目線を上げて様子を窺った。 


彼は自宅に直帰するつもりでいた筈なのに、どうしてオフィスへ戻ってきてるんだろうか。

しかも、私が仕事を押し付けられていると、どうして知ってる?

グループは違うし、席も離れているから、絶対に知られていないと思っていたのに…。




(バレてたのか……)


侮れない人だ…と上座を見遣る。

黙々と作業をこなしている姿はかっこ良くて、やっぱり憧れるな…と思ってしまった。



「諸住さんの方どれくらい出来た?こっちの分を飛ばすからおかしな所がないか確認してみて」


いきなりそう言われてビクッとした。
私が彼を見ているのに気づいたのか。


「はい!」


声を高くして返事すると、顔を上げた彼が微笑む。
そのスマイルに胸を鳴らし、羽が付いたメールがボックスに飛んでくるのを確認した。


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