憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
(そう思うと私って、マイナスなクセが多くない!?)


ダメだー…と自分で自己否定する。
こんなマイナーな考えしか出来ない人間にどうしてなったりしたんだろう。


(そりゃ、やっぱりあの所為だよね。学生時代のあの一件)


思い出したくもないことを思い浮かべて首を振る。
あんなの気にしても仕様がない、と思うけど、どうしても躊躇う一因にはなっている。


(あーあ、私ってこのままずっと、一度も坂巻さんとは話せずに終わるのかなぁ)


来年は確実に異動がある。
同じ部署に三年以上もいる一般職なんてゼロだもん。


(変わる前に一度でいいから話してみたいな。好きな趣味とか食べ物の話とかしてみたい)


人気者で憧れの彼と積極的に会話したい。
絶対に出来ないから夢でしかないけど。


(あーあ、いいな…)



呟いて、こっそりと溜息を吐く毎日ばかりが続いていくんだろうと思っていた。

そして、それでも別に仕様がないか…と諦めていた__。


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