生徒会長は女の子が苦手です
「寝てなきゃダメだろ?


風邪ひいて、のぼせまでして、今度は湯冷めしたらどうすんだよ」


「…風邪ひいたのは伊織のせいだもん」


「は?」


俺は冷蔵庫からお茶を出して飲む。


「お兄ちゃんに言われた。私が風邪引くのは伊織と何かあった時だけなんだって」


「…ごめん」


七瀬はソファの上で体育座りをして、ぷくっと口を膨らませる。


いや、そんな顔もかわいい…。


じゃなくて。



「本当に、ごめん。七瀬の気持ち、わかってなかった」


「知らない」


七瀬はプイッと明後日の方向を向き、手の爪をいじる。


「七瀬、俺は七瀬だけだから」


「…ほんと?」


その言葉に反応した膝に顔をおいて下から俺をみつめる。


「ほんと」


「絶対?」


「絶対」


「証拠、ください」



そう言って顔を近づけ、目を閉じる七瀬。


う、わ…なにこれ。


天使じゃん、かわいすぎ。


内心は心臓をバコバコ言わせながらも七瀬の顔を手で包んで、さらに顔を近づける。


そして、七瀬に甘いキスを落とす。



「好き、七瀬」


「私も。伊織のこと好き」



唇を離した俺たちは、そう言って笑いあった。


俺の彼女は、やっぱり天使。
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