生徒会長は女の子が苦手です
「ごめんね恋菜ちゃん。もうキスマークついてるの」


「はぁ!?」


佐倉さんはそれを聞いて余計に顔を赤くすると布団に潜り込んでしまった。


2人とも元気そうだな。帰ろう。


桃矢が佐倉さんにブチギレされて半泣きになってる間に俺は保健室を出て、七瀬の元に戻った。



「あ、会長。恋菜、どうでした?」


「元気だったよ。2人でラブラブしてたようで」



七瀬の顔にピキピキとシワが入る。


女王、ご乱心。


そして何も言わず、スマホを出すと、桃矢に電話する。


『もしもーし』


「それ以上恋菜になんかしたら存在を消す」



迫力のある声音でそれだけ言うと電話を切った。


七瀬がキレたら怖いことを俺は知っている。


昔、俺をボロクソ言ってきた女の子に同じことを言い返して泣かせたことがある。


それに、七瀬の中学の頃の親友がいじめられた時。

いじめた主犯格を言葉攻めにして、次の日からその子は学校で人が変わったように落ち着いていたと言う黒歴史なるものを聞かされたこともある。


まぁ用は果てしなく友達思いのいい子なんだけど、たまに良くない方向にその賢い頭が使われてしまうのだ。


ただの言い過ぎ。



本人も分かっている様子なんだけど、止まらないらしい。
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