生徒会長は女の子が苦手です
授業開始15分前。


「真野くん、恋菜おこしてくるからさ。


その眠り王子起こしといて?」


「え、やだよー、寝起き悪いもん」


「悪くないから大丈夫だって。よろしく〜」



真野くんを置いて仮眠室のドアを開く。



「恋菜。授業始まるよ。授業」


「んー、ななちゃん…?」



恋菜は布団の中でもぞもぞと動くと、むくりと起き上がって私に抱きつく。



「ななちゃん…」


「恋菜スカートめくれてるよ?」


「ん…」



恋菜は短いスカートを慣らして、目をこする。



「ん、起きた」


「よし、じゃあ行こっか」



恋菜を連れて真野くんの様子を見に戻ると、伊織にぱこぱこ殴られていた。



「なんで七瀬じゃないのっ」


「知らん知らん!七瀬ちゃんに起こしてって頼まれたんだよ」



なんだろ。伊織がアホに見える。


アホだったっけ。



「伊織、わがまま言わないで。ほら、起きて、カバン持って?


置いて行っちゃうよ?」



そういうと、伊織は私の存在に気づいたのかばっと立ち上がって、机の上に散らかる私物を片付け始めた。



私は伊織が被っていたタオルケットをたたんで仮眠室に戻すと、お茶の入っていた湯呑みを流しで洗った。
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