恋のコーチは期間限定
「お前さぁ。馬鹿なの?」

 海斗のアパートに押しかけて管を巻いた。
 それなのに説教口調の海斗に辟易する。

「どうせ俺は馬鹿だよ。」

「ったく。
 女に慣れてるかと思えば全然だな。」

「うるせぇ。」

 女なんてうるさいだけで、別に今までは必要に感じなかった。
 年相応の経験さえ済ましておけば問題ないと……。

 それなのに……。

「年上の女が青い顔して若い子の方があなたには似合ってるわって言ったんだろ?
 ヤキモチって言わないか?それ。」

「え…………。」

 突っ伏していた顔を上げて海斗を見つめる。

「青い顔になるほどなんか年の差にショックを感じる出来事があったんだろ。
 今こそ落とす絶好のチャンスなんじゃねーの?」

「海……お前、天才だな。」

「お前が馬鹿なんだよ。」





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