恋のコーチは期間限定
『その時に「中原さんのお姉さんが好きだから行けない」ってお姉ちゃんのこと好きだ宣言して帰って行ったから。』

「何それ………。」

 全然、真実味がない話なのに顔がどんどん熱くなる。

『で、高坂くんの友達が高坂くんとお姉ちゃんは微妙な時期だから報告があるまではそっとしといてあげてって。』

「ごめん。望美……憧れの人なのに……。」

 蒼の友達にまで気を遣われて、しかも望美は知っていたのにこんなに報告が遅れて………。

『何を言ってるの!
 憧れの人がお姉ちゃんの彼氏なんてすごいよ!
 さすがお姉ちゃんだよ。
 あの高坂くんが……ってみんなどよめいてた。』

「さすがって………。」

『さすがだよ!!
 そのあとみんながお姉ちゃんってどんな人!?って私に質問攻め!
 美人で自慢のお姉ちゃんだよ〜って言ったらみんなもさすが〜って言ってた。』

 からからと笑う望美に本当に調子いいんだからと苦笑しつつもお姉ちゃん嫌い!なんて言われなくて良かったとホッと息をついた。

「それにしても、みんなって………。」

『一緒に旅行に行く10人くらいの前で。』

「何もそんなところで言わなくても……。」

 こっちが恥ずかしくなってますます顔が熱くなる。

『普段クールな彼がお姉ちゃんのこと好きだって宣言した後に顔を赤らめて「そ、そういうわけだから」って。』

 クスクス笑う望美が『しまったって顔して去って行ったの』と楽しそうに言った。









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