【完】武藤くんって甘くない
ガバッと起き上がり、抗議する。



「そんなのお前だけじゃん。冷たくされても好きって」



苦笑してるけど、そんなのあたしは全然わかりっこないからね!



「教科書借りに来た女の子は?あの人、武藤くんのこと好きだよね。わかるから」



「あいつ?どーかなぁ」



「そうだよ!ハッキリ言ってよ、彼女ができたから近づくなって」



はあっ、はぁ…。



いきなり重い女?



こんなこと言うなんて。



「いいよ」



「そうだよね、当然…って、いいの⁉︎」



えええっ?



「あいつに勘違いするなって笑われそうだけど、お前がそうして欲しいならいいよ」



「あ…ありがとう」



なんか、拍子抜け。



武藤くんはあの子のこと、気にもとめてなかったんだ…。

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