すべては、
「主任はまだ帰って来ないでしょうが、大声を聞いた隣の家の人が助けに来るかもしれません。
そしたら僕は捕まるでしょう。
捕まるならいっそ貴女をこのまま最後まで犯します。」


「!?」


「助けに来たお隣さんに、快感に喘ぐ貴女の淫らな姿を見られてしまうでしょうね。それでもいいんですか?」


木下さんは青ざめた私から騒がないと察し、ゆっくりと手を放した。


「貴方に、感じるなんて…絶対…」


「そうですか…ではそんなことが言えないくらいもっと感じさせてあげますね。」


私はその行為を見ないことで嫌悪感から遠ざかろうと、ぎゅっと目を閉じた。

でも、そんなことでこの状況から遠ざかれるわけもなく、嫌悪感が増すばかりだった。



















「実里さん、大丈夫ですか?」



私は壁に寄りかかりへたり込んでいた。

力は抜け、息は荒い。



「こんなことして、ただで済むと思ってるの。」
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