剱聖伝

救出と脱出

城の南にある聖罪廊…


特殊な変成岩を加工した


石を積み上げた建物で、


左右対称の造りが美しく、

装飾品の精密さが職人の技

術の高さを物語っていた。

その近くで身を潜める


二人。


入口は一つだけだが、そこ

には門兵が二人立っている




《どうする??》


ラキがティアに聞く。


少し考えた後ティアが口を

開いた。


《私がなんとかしてみます




聖杖を前にかざす。


目をつぶり精霊と会話


する。ほどなくして辺りに

暖かい風が吹き始めた。


ラキの瞼が落ちそうになる

…その風は門兵の所まで飛

んでいくと、クルクルまわ

り出した。


《ん!?なんだか…き…も


ち…いい…》一人が眠る。

《おっ、おぃ!!どうし…た

ん……》そしてもう一人も

眠ってしまった。
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