剱聖伝

希望の彼方

《第一部隊は硬着状態を避

け、距離を取りつつ後続の

魔法部隊に任せよっ!!》

ソリオンは戦場のもっとも

激しい位置に身を置き、的

確な指示を出していた。


慣れない魔物との戦いで多

くの兵を失ったが、それで

も戦力の均衡は保たれてい

るように思えた。


しかし…


《何かおかしい…》


先ほどから魔物の力が増し

たように感じる。


天剱聖の方々が戦っている

辺りに出来た大きな邪悪の

塊が出現してからか!?


ソリオンの視線は突然現れ

た繭のような塊にくぎ付け

になる。


状況を正確に把握出来ない

事に苛立ちを感じつつも


その場を離れる訳にもいか

づ、グッと奥歯を噛んだ。

もう、どれだけの時が過ぎ

たのかすら分からないくら

いに戦い続けている。


兵の疲労もピークに達して

いた。
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