剱聖伝

負の天秤

《痛みますか…》


聞かれたメギメギはベッド

の上で黙って天井を見てい

た。ティアは精霊魔法で


傷を治している。


《入るぞ》


古い扉が軋む音が聞こえ、

クロードが入ってくるのが

わかった。ベッドの横に来

てメギメギを見つめる。


少しは傷も癒えて、ましに

なった顔を覗きながら


《おまえさん、どうして


抵抗しなかった》っと


喋りかけた。


《……》


《メギメギはセタが好きだ

…もしセタが殺されたら凄

く悲しい…相手を憎くかも

しれないメギ。ラキの気持

ちがよくわかったから…


とても辛かったメギ…》


《…そうか悪かったな…メ

ギメギあいつも今はどうし

ていいかわからないんだ》


《この戦争さえなければ


きっとラキとは友達になれ

たメギね》


そう寂しい表情で呟いた。
< 64 / 384 >

この作品をシェア

pagetop