君が眠る時には

ライバルと友達


大丈夫大丈夫。


その言葉を自分に言い聞かせるのは何度目だろうか。


私は葵のそばにいるって、美月ちゃんに言うんだ。


朝からずっとその事ばかり考えている。


「はぁ……」


ため息が止まらない。


病院へ向かう足取りはいつにも増して重かった。





──コンコン


「はい」


がらっ。


あ、あれ?


美月ちゃんがいない。


「美月ちゃんは?」


「あー……うん。自分の病室じゃね?」


葵が気まづそうに言った。
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