君が眠る時には

ライバル


いつも通り面会時間に病院に来て、いつも通り葵としゃべって、いつも通り帰るはずだったんだけど…。


「ね~、あおの部屋って相変わらずなんもないじゃーん」


葵の隣で笑っているのは私の知らない誰かさん。


この子は一体誰なの?


「てか、ほんっっとに久しぶりだよね〜」


女の子の喋り方がなんかムカつくんだけど。


語尾を伸ばして、まるで葵に媚びるような甘ったるい声で話してる。


「美月(みつき)は変わんないな」


葵も葵で私に見向きもしないし。


てか、美月ちゃんってゆーんだ。


可愛らしい名前。


「え〜、そうかな〜。てかあおが変わりすぎなんだって。


背もこんなに伸びてさー、男の子っぽくなったね」


「俺はもともと男だっつーの」


「そーだっけ?」
< 90 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop