黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
「私は大丈夫。黒豹の血族の治癒能力は常人を遥かに凌ぐ。だが……うららは大丈夫か?」
レオパードは神妙な面持ちで私に尋ねた。
「えっ……私?」
大丈夫かと聞かれたけれど、どこも痛いところはなかった。
「どこも怪我もないし、全然大丈夫よ」
「いや、怪我ではなくて……」
「そう言えば、あいつ……フェニックは?」
「えっ……」
レオパードは眉を寄せた。
「何も……覚えてないのか?」
「何も覚えてって……何か、あったの?」
「あ、いや……何でも」
私が不思議に思って聞くと、レオパードは何かを察したかのようにはぐらかした。
「私達はあの後、無事に逃げ切って帰って来れたんだ。それ以外のことは何もない」
「えっ、いや、でも……」
「うららは兎に角、ゆっくりと休みなさい」
彼はそう言って微笑んだ。
(何……何か、あったの?)
レオパードが部屋から出て行ってから、私は一人で考えた。
(私……何か、記憶をなくしてるの?)
それは、奥歯にものが引っかかっているような、もどかしい感覚で。
だけれども、思い出そうとすればするほどに分からなくて。
そのうちに私は猛烈な睡魔に襲われて、再度、深い眠りについた。
レオパードは神妙な面持ちで私に尋ねた。
「えっ……私?」
大丈夫かと聞かれたけれど、どこも痛いところはなかった。
「どこも怪我もないし、全然大丈夫よ」
「いや、怪我ではなくて……」
「そう言えば、あいつ……フェニックは?」
「えっ……」
レオパードは眉を寄せた。
「何も……覚えてないのか?」
「何も覚えてって……何か、あったの?」
「あ、いや……何でも」
私が不思議に思って聞くと、レオパードは何かを察したかのようにはぐらかした。
「私達はあの後、無事に逃げ切って帰って来れたんだ。それ以外のことは何もない」
「えっ、いや、でも……」
「うららは兎に角、ゆっくりと休みなさい」
彼はそう言って微笑んだ。
(何……何か、あったの?)
レオパードが部屋から出て行ってから、私は一人で考えた。
(私……何か、記憶をなくしてるの?)
それは、奥歯にものが引っかかっているような、もどかしい感覚で。
だけれども、思い出そうとすればするほどに分からなくて。
そのうちに私は猛烈な睡魔に襲われて、再度、深い眠りについた。