強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「ラジャー!」
私が文面を読み上げると、ビシッと敬礼のポーズをして足早に理事長室の扉の前に行き、そっとそれに手を掛けた。
そっと2人とも中に入りすぐに扉を閉める。
「はあぁ~…怖かった」
「まさか学校でこんなスリリングな体験が出来るなんて思わなかった」
2人して扉に寄り掛かり大きく溜め息を吐いたのだった。
すると准一さんが私達の元へとやってきて笑みを浮かべる。
「いらっしゃい、意外と速くて驚いた」
「そりゃぁもう。周りの目を盗んで忍者の如く」
「ご苦労さん」
通された部屋は応接間、准一さんの専用書斎などは奥の部屋にあるらしい。
わーっと目を輝かせてそこら中をキョロキョロと見つめるゆきの。
なんでもゆきのは漫画に出てくるような理事長室が本当に存在するのかを生で見て知りたかったらしい。
私も初めて入る理事長室、准一さんの職場に少しだけ緊張していた。
座って、と促されてふかふかのソファーに腰を下ろすと腰が沈んだのは言うまでも無い。