独占したい、甘々に。【完】

♡Wanted

***





「…紗雪」





「な、なんでしょうか…」





お昼休み、私は悠乃に半ば無理矢理連れられ中庭へとやってきていた。





逃げようにも腕をがっしりと掴まれているため、どうしようもなかった。





どうやらご機嫌斜めなようで、眉間にシワを寄せ、私のことをジッと見下ろしていた。





「最近の紗雪、なんかおかしいんだけど」


「そ、そうかな?」


「…今だって俺のこと全く見ようとしないし」





図星を着かれビクッと肩を揺らした。





悠乃の視線を痛いくらいに感じる。


…そんなこと気づいているのに、どうしても悠乃の方を向くことが出来なかったのだ。
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