叶うはずもない恋
ギリギリ、奏時と葉汰は教室に着いた。

「間に合ったね、ようちゃん」

「うん。兄ちゃんのおかげだ!」

「じゃぁ、教室行くね。またお昼ね」

息の整った奏時は、教室へ戻って行った。
奏時と葉汰は、クラスが離れている。

(さっきの、俺がいるから生きてるって本当、なんなんだ?)

「あーっくっそー!」

カナのくせにっと葉汰は思った。

「なーに?朝からうっるさいな」

クラスメイトで友達の美夏が話しかけてきた。

「おはよう。いや、カナが秘密ごと作って言ってくんないの」

「うける。」

「あ??それだけか」

「ほんっとに仲良いこと。カナとか呼び合ってるし」

「お前のことも美夏呼びだろ」

「俺男友達だもーん」

「カナも幼馴みだ!」

「葉汰、塩谷のこと好きなの、ばっればれ」

美夏は、葉汰をからかうのが大好きだ。すでに、奏時を好きだとバレている。

「体操服、着替えに行こうよ」

「腹立つやつだな、美夏お前は」

そう言いながら、美夏と葉汰は教室を出た。
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