*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 修平さんだってゆうべはほとんど眠っていないはずなのに、ハンドルを握る彼の横顔はそんなことは感じさせないほど爽やかだ。

 今朝、いつもより遅めの時間に私が目覚めた時には、すでに朝食の準備がされていて、しかも洗濯機まで回っていた!!

 そんな彼が運転する隣で、ぐーすか眠ってられるほどのんき者ではない―――つもりだ。


 「遠慮せずに寝てていいよ、杏奈。昨夜はちょっと無理させちゃったしね。」

 「む、無理って…」

 「目的地に着いたら起こしてあげるから、今のうちにしっかり寝ておいて。今夜の為にも、ね?」

 「こんやのため……」

 何を言われたのかすぐに分からずポカンとする。
 頭の中で何度かその言葉を反芻したらその意味が分かって、顔がカーッと熱くなった。

 (き、…昨日もあんなにしたのにっ!!)

 昨日と言うか、すでに『今日』だった。
 数時間前まであんなにたっぷり愛し合ったのに、と思うと同時に、その時のことが頭に甦って頭から火が出そうになる。

 そんな私の頭の中を読んだかのように、ハンドルを握って前を向いたままの修平さんは

 「覚悟して、って言っただろ?」

 と楽しげに笑った。



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