*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
二人で管理人の中村さんご夫妻のところへ挨拶に行くと、彼らは私との別れを惜しんでくれた。私のことを娘みたいに温かく見守ってくれていた中村さんご夫妻は、最後に修平さんに私のことをよくよく頼んで、「また遊びに来てね」と言って見送ってくれた。
「いい管理人さん達だったね。」
荷物を積んだ車を運転しながら、修平さんが私の方をチラリと見てそう言った。
「うん、ほんとに親切にしていただいたの。初めての一人暮らしをやってこれたのは中村さんと奥さんのお陰だよ…。」
やっぱりションボリと肩を落とした私の頭を、運転席から右手を伸ばした修平さんがグリグリと強めに撫でてくれた。
「えへへ。」
照れくさいけど嬉しくて、私はそれを笑って誤魔化す。
「ちょっと早いけどこのままランチに行って、それから図書館まで送るよ。」
「いいの?」
「いいの。俺がそうしたいんだ。俺は九連休中で暇だしね。少しでも杏奈と一緒にいたいだけ。」
ストレートな彼の言葉に頬が染まる。
彼は毎日のように甘い言葉をくれるけれど、私の方はいつまでたってもそれに慣れそうにない。
「じゃあ、図書館の近くの和食屋さんのランチが美味しいの。そこでもいい?」
「もちろん!」
私たちはそのまま早めのランチへと向かった。