*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 ぞくり、と背中が痺れた。

 ゆっくりと彼の顔が近付いてくる。
 いつもの彼とは違う、獰猛な瞳が私の視界いっぱいになった時、私はギュッと瞳を閉じた。

 「んっ!」

 噛み付く勢いで唇が塞がれ、声にならない音が鼻から漏れる。
 
 「んん、~~ぁっ、ふ、」

 獰猛な舌が私の口内を蹂躙していく。

 あまりの荒々しさに苦しくなって、『イヤイヤ』をするみたいに頭を左右に振ると、彼の大きな手が私の頭の後ろに回って、動きを封じられた。
 
 「~~っ、ふぁっ、~んっ、」

 鼻からだけでは足りない酸素を求めて口を開くと、喘ぐような声が漏れる。
 食べられるようなキスが苦しくて、生理的な涙が浮かんでくる。

 彼の口づけはいつも甘くて優しい。たとえどんなに激しい口づけでも、こんなふうに一方的に私を追い込むことはない。

 今の彼の口づけは、「私の全てを喰らい尽くしてしまいたい」と言っているみたいだった。
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