国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい

二十五の時に偉大なる王であり、父をなくしたレイは第一王位継承者として国王に即位した。頭脳明晰で群を抜く身体能力に、国王になるべく幼少から徹底的に厳しい教育を受けた。そして即位から三年が経ち、レイは誰もが振り向くような見目麗しい容貌に国の統率者としてますます頭角を現した。

意欲的な経済政策やラタニア王国の近代的発展に力を入れわずか数年で飛躍的に国力を高めた。国内経済活動の健全化を推し進め、真の繁栄へ至る道へ光を灯し、先王が国を治めていた時よりも遥かに国は豊かになった。

しかし、その一方でレイは他人を利用してでも自己の利益とすることになんの迷もなく、情のない冷血王とも呼ばれていた。