極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
むっと頬を膨らませていると。

「そんな顔するな。冗談だから」

プッと神崎さんは吹き出した後、立ち上がって、ローテーブルを回り込み、私の隣に座った。

とろんとした艶っぽい瞳で私の肩に手を回すと、首筋で鼻をすんすんいわせる。

「か、神崎さん……?」

「いつも使っているボディーソープのはずなのに、やたらいい香りがするな。お前自身の香りかな」

右の首筋に、彼が鼻先をすべらせる。ゾクリと肌が粟立って、「ひぁぁっ」と情けない声が漏れてしまった。

慌てる私で面白がるように彼が体を押しつけてきて、あっという間にソファに押し倒される。

神崎さんからもボディーソープの香りがするけれど、確かに私を取り巻く香りとは少し違う。彼の香りが混ざっている。

鎖骨のあたりに彼の唇があたり、思わず「ぁう……」と鼻にかかった悲鳴をあげてしまった。

すでに二回も体を重ねているというのに、どうしてこんなにも彼の色気攻撃に慣れないのだろう。
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