極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
飲み会で酔いつぶれた私を家まで運ぶのは、いつの頃からか彼の仕事となっていた。

『どうせ今日も神崎くんに家まで送ってもらうんだろ? いっそのこと、前もって鍵を預けておけばいいんじゃないか?』

部長の鶴の一声で、飲み会の前には、あらかじめ彼に鍵を預けておくことが習慣となった。

彼は自身のスーツのポケットから薄いキーケースを取り出して、慣れた手つきでマンションの正面玄関にあるパネルに鍵を差し、オートロックを解錠した。

当初、彼は嫌がって『なんで俺がお前の家の鍵を持っていなきゃならないんだ』と抵抗を示したけれど、鍵を預け、飲んで、翌朝返すというやりとりを繰り返しているうちにあきらめがついたらしい。

そのうち、私に鍵を返却することすら面倒くさくなってしまったらしく、いつの間にかこの合鍵は彼の所有物となってしまった。
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