はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
「それにしても、よく没収されなかったな。」



野田先輩が、ロザリオを見て言った。



「私も、そう思う…。」



ウチの担任なんかは猛反対してたけど、何人かの先生が庇ってくれた。



確か、蒼にコレを手に入れた経緯聞かれてから…かな?



「…で、桐生は意味分かってて身に着けてるんだよな?」



って、ワケ分かんないコトも言ってたけど。



「コレって、何か意味あるの?」



私はロザリオを指して、野田先輩に聞いた。



翠子の彼氏だから、絶対知ってるって思ってたのに…。



「さあ?」



返ってきた答えが、コレだった。



「何か、聞いてないの?」



「ってか、予測不能の翠子お嬢様の行為に意味あるのかよ?」



自分の彼女を、予測不能って…。



「鬼マサが、意味あるみたいなこと言ってたもん。」



「直接、翠子に聞いたら?」



「どこぞの誰かさんの指導に忙しくて、翠子さんに会いに行く時間無いし。」



坂下ってば、新学期になっても



「桐生さんなら、安心して任せられます。」



とか言って、私に野田先輩を押し付けるし…。



「じゃあ、翠子に会いに行くか?」



そう言った野田先輩が、私の目の前でヒラヒラさせていたものは…。



不審者防止のために発行された、聖女の文化祭チケットだった。









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