だから何ですか?
キスをしながら思わず口にしたのは簡潔すぎる好意の響き。
渦巻いて込み上げる感情を口にしようとしたら何を言っても言い表せない程膨大になりそうで。
きっと口にしたら止めどなく溢れて言い終えられない。
それでもどうにか伝えないと消化も出来なくて、犇めいているモノを全てまとめて共通する感情を弾けば『好き』という簡潔な響き。
簡潔だけどもその一言にどれほどの自分の葛藤やもどかしさが詰まっている事か。
どうしたらすべて伝わるのか。
そんな葛藤に悶えながら言葉を紡げば、静かに落とされた言葉と柔らかい笑みと。
そんな表情と言葉に只々呆けて見惚れて。
もどかしい感情を吐きだした口を労わるように亜豆の唇が柔らかく啄んできて。
「その感覚・・・知ってますから」
「っ・・・・」
全部知っていると、
自分も経験したと言いたげな口調と労う様な口づけに『敵わない』と更に惚れ込んだ。