彼氏の上手なつくりか譚
5>>聞き上手になるべし。





「で、寝不足になったと」


「そう。ずっと文学の話。しかも、海外小説ばっかりだよ? 『「カフカ」の「城」の続きはどうなると思う?』とか、『「サリンジャー」の「フラニーとゾーイ」は3人称と1人称の対比がいい味出してるよね』とか。いや、知らねーよって話。で、気づいたら朝5時になってた」


真奈は猫に顔を蹴られた後、猫に仕返しをしようと、剣道部に行き、木刀を借り、私の後を追ったらしい。


私は真奈がてっきり先に帰ったものだと思い、文学少年とLINEのIDを交換して帰った。


それからすぐ、友達申請のLINEが来て、名前を見ると、「下村」と表示されていた。


まさかと思い、真奈に確認を取ると、私の彼氏候補の卓球部員、下村くんで間違いないという。




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