愛してるからこそ手放す恋もある

朝食の準備をしてると、小野田さんは今日から出社すると言うのだ。

「小野田さん!昨日退院したばかりじゃないですか!?もう少し体を休めてからでも良いんじゃないですか!?」

「梨華の作る料理のお陰で元気になった。もうなんの心配ない」

確かに退院時の約束は守って毎食ちゃんと完食してくれる。毎食と言ってもまだ三食だけだけど?

「それとも梨華が仕事サボりたいのか?」

私が仕事をサボりたい?!
そんな事思うわけないじゃない!?
私は私の思いがあって働いてる。

「お言葉ですが、小野田さんの入院中も仕事してました。そりゃー会社へ顔出さない日も有りましたが、それでも、一日も休まず仕事してました!」

全国の支社から送られてくる目や巣箱ならぬ、お助けボックスの内容は私の私物のパソコンへ送られることになってる。それの報告と改善案を菱野部長へ報告するのも、私の仕事なのだ。

「そうか?じゃ、しっかり働いて貰う。梨華にサボるつもりがないなら、今日からでも働くよな?」

私がサボったりする訳ないじゃない!

「ええっ勿論!サボりませんよ!今日から秘書として働きます!」

私の宣言に小野田さんはニヤリと笑い、「さぁ行こうか?」と、言った。

あっしまった…やられた。

< 57 / 133 >

この作品をシェア

pagetop