姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
この会見の様子を、りんと咲は大倉家のリビングの巨大スクリーンで見ていた

姫花はまだ起きて来ていない

「なんか・・ 裁判始めちゃったよ・・・」

困惑気味の咲

「ガクちゃん、相当お怒りだったもん」

と咲に笑顔を見せるりん

親友や、かわいい後輩のありもしない記事を載せられ、妹の事はありえない程の言われよう・・そして、その記者の手が、りんに及びそうになっているのを察知したガクの怒り方は尋常ではなかった

だが、りんは、そこまでは知らず、ただ、シスコンガクが暴走した位にしか思ってはいないのだが・・

「でも、姫ちゃん大丈夫かな?」

咲の表情は晴れない

「ここで、私達が心配しても仕方ないって!! 今夜は“米助”の山田さんが来るらしいよ♪」と話題を変えるりん

「? 誰? “米助”の山田さんって?」

まず、米助がなにかも知らない咲だった

「恵比寿にあるお寿司屋さんだよ! 大倉家のお気に入りのお店らしくって、ガクも姫花も小さい時から食べてるんだって で、山田さんは、そこの大板長さん もう年齢的に、店には立ってないんだけど、今回記事で姫花を心配して、今夜、ここに来て、お寿司握ってくれるの ネタも新鮮だし、本当においしいんだよ~」

と嬉しそうに話すりん

高級すし屋の引退した大板長さん自らやってきて、お寿司を握ってくれるって・・

姫花と友達になり、大吾と付き合い、モデルになり、この1年ほどでめまぐるしく周囲が変化した咲は、その状況の変化に柔軟に対応できている方だとおもう

思うが、この大倉家の感覚だけは、いつも戸惑ってしまう

「りんちゃんもそのお店良く行くの?」

「まっさか~ ネタの名前しか掲げてなくって、時価で食べるお店にひょこひょこ行ける訳ないよ~ ガクが何回か連れて行ってくれただけ 私も早く好きなときに行けるようになりたい~」

とりんが笑うので、咲もやっとホッとした表情を見せることが出来た
< 110 / 223 >

この作品をシェア

pagetop