姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
賢次は、ガクから言われた便が到着するのをタコマ空港の到着ロビーで待っていた

こちらでは認知されていない賢次だが、日本からの便なので、少し離れた場所で座っている

電子掲示板が、到着を知らせ、通関中となっている

もう同じ場所に立っているんだな・・

賢次はそんな事を思っていた

パラパラとゲートをくぐってくる人のなかに姫花らしき人物はいない

ファーストクラスなはずなのだから、最初に出てくるはずなのだ

しばらくすると、たくさんの人が出てくる

・・・・見失ったのか?

人の波が引いたロビーをうろつく賢次はガクに電話を掛けることにした

「お~ 賢次か? 姫花着いたのか?」

陽気なガクの声が聞こえる

「会えてないんだけど? そっちは出たの?」

賢次の声はガクとは正反対だ

「え? 成田についたって今朝電話あったぞ? 乗ってないのか?」

とガクの声も焦っている

「成田には行ったんだ・・ どこの航空会社だっけ? 調べてみる」

「いや・・ 個人情報で、今は厳しいから俺が確認取るよ また連絡する」

ガクは賢次にそう言い、電話を切り、マネージャーに控えておいてもらったパスポートナンバーとチケット番号を元に調べてみると、姫花の搭乗の痕跡は残っていなかった・・

ガクの沖縄ロケも最終日

いてもたってもいられなくなったガクは、仕事を早めにさせてもらい、予定より早い便で東京まで戻ってきた

急いで、家に戻るも、誰もいない

ただ、姫花がガクの為に料理をパッキングして作り置きしておいてくれたようで、冷蔵庫がタッパーでいっぱいなので、確かに姫花が出かけるつもりであったことを伺わせた

りん・さき・大吾・・に連絡をいれるも誰も知らないという

もしかしたら、便をずらして行ったのかも・・と思い、賢次に掛けるも来ていないらしい

賢次はあれからしばらく空港で待機していたが、その日の日本からの便がないと言われ、空港を後にしていたのだ

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