ニセモノお兄ちゃん
期末テストが終わり、あとは夏休みを待つのみのこの時期。


みんなは夏休みを今か今かと待ち望んで浮かれているが、私は憂鬱だった。



部活にも属していない私は夏休みずっと家にいることになる。

専業主婦のお母さんと一緒にいることにもなる。



どこか遠くに行きたくても、バイトもしていない私は貯金がほぼなかった。








「はぁ...」


「なしたん莉海。最近ため息ばっか。」


美羽(ミハネ)だった。
高校に入ってから唯一私に近づいてきてくれた子であり、私の1番の親友。

入学式から私は明るい茶髪にピアスにメイクで行ったため、誰も近寄ってこなかった。



「いや、夏休みやだなって。」

「え、わかる家にいたくないよね!」

「そうそう!マジでだりーんだよな。」

美羽は私と価値観が合う。
それは美羽の母親も離婚して再婚した時にきた、義理の母だから。




「私バイト詰め込んで新しいコスメ買うつもりだからまだ大丈夫かなぁ。」

「私もバイトしよーかな。」

「え、うちおいでよ!カラオケ屋まかないもあるしめっちゃ楽だよ!」


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