暴君と魔女


ああ・・・おかしいな。


俺のキャラでもない。


こうしてやりたいと思う事も今までなくて。


やったとしても偽善的な行為での一貫であったのに。


四季には自然と【優しさ】的な物を出す事が出来て・・・、


そうか・・・、四季がそれを与えてくるから俺もそれをしたくなる?


今までの浅い関係では得られないはずだ・・・・・。


一つ・・・そんな事を学習し、すぐに四季の体を確認していく。


緊張に強張る表情と小刻みに震えている姿。


四季も初めてなら俺も初めてに近いこの行為に一瞬迷いが生じて不動になる。


こういう場合は・・・進めていいものなんだろうか?


この歳で・・・しかもかなり経験してきて今更この戸惑いはどうかと思う。




「・・・とりあえず・・・痛いかったら堪えるな」


「・・・・っ・・・平気です・・」


「全然平気そうに見えないんだよ・・・・・」


「・・・・いいんです・・・痛くても・・・私を求めて下さるなら・・・」




さすがにその言葉に驚愕し言葉を失う。


四季といえば恥らっていた顔をまっすぐ俺に向け、しっかりと俺と視線を絡ませ言葉を続けるのだ。





「他の方のように・・・・・私にも望様の愛情を感じられるというなら・・・・」





震えた声で懇願する様な言葉を吐き、羞恥でなのか痛みでなのか涙を潤ませる四季に魅入られる。


そしてすぐに弾きだした言葉。




「馬鹿が・・・、」


「・・・っ・・・すみま」




「【愛】とかそんな綺麗な嘘くさい感情、他の女に感じた事なんか一度もねぇよ」





じゃあ、、


四季には感じてると言っていいのか?





そんな疑問は感情の波にすぐに呑まれた。


理屈じゃなく・・・・・俺はこの女が愛おしい。


陳腐な表現でも多分・・・取り返しがつかない程愛し始めてる。


暗闇でもはっきり分かる肌の白さとそのラインのゾクリとし、魅入られるまま四季の熱を孕んだ頬に手を伸ばす。


そうして・・・・酷く好ましいグレーの瞳に囚われて・・・、


とうとう懇願するように言葉を落としてしまった。

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