幽霊相談室〜幽霊が見える高校生〜

謎多き男子クラスメイト

背伸びをしていると後ろから男が芽衣子を抜かしていく

男「おせっかい」


芽衣子「え、今何か…」


イヤホンをつけた男はスタスタ歩いていく

芽衣子「気のせいかな、何か言ってたような…それにあの制服は私と同じ高校のものだ。 あ!遅刻しちゃう!」


慌てて学校へ向かった




ガラガラ!

芽衣子「セーーーフ!」

文「アーウート!もう担任きちゃって出席とってったよ〜、遅刻した芽衣子は放課後残って担任の仕事手伝えってさー」



友人 : 坂本文(さかもとふみ)
・芽衣子とは小学生からの幼馴染
・弓道部所属
・霊は見えない


芽衣子「うそー!ふみちゃん!手伝って」

文「やだよ私部活あるし、ていうかまた霊と話してたんでしょう??あんまり深く関わっていかない方が良いと思うよ」

芽衣子「ふみちゃんまーたそんな事ばっか言って。いつも今日はどんな霊と話してきたの??とか興味津々で聞いてくるじゃん!」

文「それは芽衣子が心配だから変な霊と関わってないか確認してるんじゃん!少し興味はあるけど…」

芽衣子「ほぉーら興味津々じゃん。今日はどんな霊と話したか教えてあげようか?」

文「いい!!とにかく私は放課後手伝えないからね!あ、あともう1人遅刻した子がいたからその子もするんじゃないかな」

芽衣子「2人か〜、なら早く終わりそう!」

文「男子だったよ。えーっと、倉本銀?って子。ほらそこの席で寝てる子」

芽衣子「へぇー、そうなんだ。話した事ないなぁ。」

文「まぁ頑張りな」
芽衣子「へーい」




そして放課後


担任「これでホームルームは終了!はいみんな解散!木下と倉本は先生のお手伝いをしてもらうから少し待ってろー」


文「めい、じゃあ頑張ってね〜」

芽衣子「ふみちゃんも部活頑張ってね!」


クラスメイト全員が帰り、教室には2人だけになった


芽衣子(倉本くん、私の記憶では今日は1日中寝てた気がするな〜大丈夫かな〜)

倉本を見ると机に伏せて寝ている
真っ黒な髪にセットされていないボサボサ頭

担任「遅くなって悪いな。これを全部ホッチキスで止めていってくれ」

芽衣子「えぇ!これ全部ですか??」

担任「あぁそうだ!2人もいればすぐに終わるぞ!先生はあと10分ほどしたら会議に出席しないと行けないから少ししたら席を外すぞ」

芽衣子「はーい、分かりました。」

芽衣子はしょんぼりしながら作業を始めた

担任「おーい倉本、お前も始めなさい」

倉本「・・・う〜ん、」

芽衣子が倉本の方をチラッと見ると起き上がり作業を始めていた

担任「よしよし、倉本はやればできるんだかな〜、首席で入学してきたしなぁ」

芽衣子「首席で!?」

バッと倉本を見ると会話を無視して黙々と作業を進めている

担任「なーんだ知らなかったのか。ま、普段の倉本からじゃ全然想像できないよなぁ、おっと!会議が始まってしまう!じゃ、あとは頼んだぞ〜終わったらそのまま帰ってくれよ」

芽衣子「分かりました」


担任が居なくなって数分後

芽衣子のホッチキスの音しか聞こえなくなりおかしく思い倉本を見る


芽衣子「げっ!もう寝てるし!先生いる時だけなの〜!?はぁ〜〜〜」

ため息をつきふと中庭を見ると真ん中の大きな木の下に制服を着た女の子が座って本を読んでいる

芽衣子「あれ?こんな時間にまだ生徒がいたんだ。


ん??
あれは幽霊かな?暗いし分かんない。
休憩がてら話しに行こうっと!」


芽衣子は木の下に座っている女の子に話しかける

芽衣子「こんにちは!何の本を読んでいるの?」

芽衣子は話しかけて分かった、この子は幽霊だ。

霊「話しかけないで」

芽衣子「どうして?あなたはなんで成仏できないの?」

霊「話しかけないでって言ってるでしょう」

女の子の霊が立ち上がった。
すると一瞬強い風が吹いて木の葉っぱがたくさん散った

芽衣子「うわぁ!!」

芽衣子の周りを風と葉っぱが渦を巻いている

霊「私、いじめられて死んだの。友達に裏切られて!!あんたみたいなヤツだった!嫌い!大っ嫌い!」

芽衣子「きゃあぁ!」

芽衣子の周りで渦を巻いていた風と葉っぱが芽衣子に攻撃をしてきた

芽衣子は腕や足に切り傷がついた


霊「痛いでしょう?助けてほしい?助けてってすがりなさいよ。私は誰も助けてくれなかった!!」




銀「やめとけ」

霊「誰?あんたもあの子と同じようにしてほしいの?」

銀「俺はそこにいるバカ女とは違う」

銀は懐から札を何枚か取り出し女の子の霊に投げた

霊「きゃあぁぁぁ!」

霊はどんどん小さくなり丸い石になった


同時に芽衣子に攻撃していた風が止んだ


芽衣子「はぁはぁはぁ…。
あれ?風は?え、倉本銀がなんでここに?」


倉本は驚いた顔をした


銀「お前、あれくらってよく平気で話せるな」

芽衣子「あれって?ただの強い風の事?うわ!私傷だらけじゃん!ていうか、あの女の子は!?」

銀「封印した」

芽衣子「ふ、封印??誰が?」

銀「俺以外にいるか?」

芽衣子「えぇ!あなたも霊が見えるの!?っていうか封印しちゃったらあの子はどうなるの?」

銀「あぁ、見える。封印だから解かない限り出てこられない。あいつは悪霊になりかけてた。お前が刺激したからもっと進行が早まったんだよ」

芽衣子「悪霊?そんな、早く封印を解いてあげて!ちゃんと成仏させてあげなくちゃ!」

銀「無理だな。俺んちの神社で代々伝わる仕事で、悪霊になりかけてる霊たちを封印して捕まえる事になってんだよ。大体攻撃されたお前に何ができる?もうあんな思いしたくねーんじゃないの?」

芽衣子「あんたんちの事情は分かったよ。でも成仏させてあげたいの。何かできるはず!」

銀「やっぱおせっかいなバカ女だった」

芽衣子「へ?」



担任「おーーーい!お前ら仕事やらないで何してる!って木下傷だらけじゃないか!!保健室へ行って手当てしてきなさい!倉本も付き添ってやれ〜」

芽衣子「先生ごめんなさい〜。倉本いくよ!」

銀「お、え?なんで俺が…クソ」



2人は保健室へ向かった



芽衣子「保健の先生いないじゃん!ふぅ〜自分でやるか。倉本ごめんね付き合わせちゃって」


芽衣子は消毒しながら言う


銀「それはいい。それよりどうやって成仏させるんだ?」

芽衣子「分かんない。でも少しあの子の事を調べる必要があるね」



銀「俺は手伝わないからな」

芽衣子「そっか〜じゃあ倉本んち教えてね」

銀「は?なんで?」

芽衣子「なんでって、封印した石持って帰るんでしょ?成仏する準備が出来たら倉本の神社へ行って封印を解いてあげなくちゃ」

銀「まだ成仏成仏言ってんのか。お前には無理だ。だから俺んちの場所も教えない。」

芽衣子「倉本って結構喋るんだね。今まで寝てるところしか見てなかったからなんか新鮮」


銀の顔が少し赤くなった


銀「は、はぁ!?今はそんな話してないだろ」

芽衣子「照れてるの??可愛いところもあるんだね。今日はもう遅いし帰ろう」

銀「言われなくても帰る」




芽衣子たちは担任の所に戻った


担任「木下大丈夫か?一体何があった?

まぁいい、手伝いはもういいから遅いし帰れ」


芽衣子「すみません先生。明日今日の事について少しお話ししたいのですが良いですか?」

担任「あぁ分かった。時間を取ろう」

芽衣子「ありがとうございます。さようなら先生」

銀「さようなら」

担任「さようなら。気を付けてな」



芽衣子たちは校門へ向かった


銀「おい。お前担任に何言うつもりだ?」

芽衣子「今日あったこと全部。あとあの女の子について何か知らないかな〜と思って。あの先生ここの高校長いみたいだし。」

銀「お前なぁ…はぁ〜もう今日は疲れた!」

芽衣子「銀くん今日はありがとう。ごめんね。」


銀「勝手に下の名前で呼ぶな」

芽衣子「え!いいじゃん!もう友達でしょ?」

銀「は?友達になった覚えはない」

芽衣子「そっか。じゃあ、私と友達になって下さい」


銀(改めて言われると…)


芽衣子「だめ?」

銀「う…分かったよ!」

芽衣子「よし!じゃあ明日からよろしくね!じゃ、ばいばい」



銀「おい、待てよ。」


芽衣子「ん?なに?」


銀「お…てく」

芽衣子「…え?」

銀「お、送ってく!」

芽衣子「え!あ、ありがとう」

芽衣子(意外と優しいんだ)


銀「ほっとくとお前また霊におせっかいやくだろうから」

芽衣子「おせっかいじゃないよ!それに今日はなんか疲れたからもうそんな体力ないし」

銀「ならよかった。帰るぞ」

芽衣子「うん!」


2人は帰路に着いた



友人:倉本銀(くらもとぎん)
・神社の跡取り息子
・霊が見える
・封印術が得意
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