キャバクラ黒服体験…トキメキ
店が終わり、レイカのマンションにこっそり行ってみた。
外から部屋の窓を見上げると、いつも閉まっていたカーテンがなく、ベランダにも以前あった洗濯機もない。真っ黒な空間だけが窓越しに見えた。
私は悲しみに襲われた…
一人の愛した女の決断の早さ、一生懸命な生きざまを感じた。
なんて私はいい加減な人間だったんだろーかと…
レイカは真剣に向き合っていたんだと、だんだんとわかってきた自分に腹がたった…。
それからは二度とレイカの顔め姿も見ていない…
ご飯を食べない野花の様でいて、妖艶な女レイカは今はどこで何をしているのだろーか…

夜明けがはじまる。
あたりが明るくなってきて通勤に通う人達とは逆方向に歩く私の足は重たく、家路についた…
私は、まだ、幼いわが子の寝顔に
『オヤスミ』
と、だけ言った。
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