臥薪嘗胆の主
「…殺して、私を。」
そう言うと黙った“ソレ”は、それからの私にしつこく話しかけることになる。
「…どうして助けるの。」
紅月は、何度も死のうとした私を助けた。
“死んでもらっては困ります。”
「私は…っ死にたいの!!」
あの時、死んでれば。
紅月さえいなければ死ねたのに。
憎い、アイツらの事を忘れられたのに。
「お前もアイツらも…嫌い。」
そう言った日から、紅月は話しかけてこなくなった。