トラウマの恋


今日は休みだからと自分で行くと言い、
サロンに着いた。

日曜日で長引いていたのか
まだお客さんがいるけどいいのかな?

扉の前で少し迷ってると
中から扉が開き、衛藤さん。

「こんばんは、いらっしゃいませ。」

「こんばんは、入っても大丈夫ですか?」

「どうぞどうぞ、お待ちしておりました。」

案内されたのは奥の席。

すれ違った圭斗くんは営業スマイル中。

「ごめんね、上原さんあとちょっとだから
もう少し待っててね!なんか飲む?」

衛藤さんは優しい。

「大丈夫です!お気遣いなく!」

と言って用意してくれた雑誌に目を通す

「はい!お待たせ!」

顔を上げると衛藤さんが
ドリンクを持って立っていた。


「ゆずソーダだよ!」
「ありがとうございます!
衛藤さんもお忙しいのにすみません!」

「全然大丈夫。
最近ね、上原さん調子いいんだよ!
なんか機嫌いいって言うかさ、
だから赤城さんありがとうね!」


ありがとう?


「ここだけの話、赤城さんに言った言葉
ずっと気にしてて、ずっと自分のこと
責めてたんだよ、上原さん。」

“はじめから好きじゃなかった”

気にしてくれてたんだ、

もっと他の言葉で振れば良かったって?

「そうなんですね、
わたしはもう忘れましたよ。
気にしなくていいのに、」
「茅菜ごめん、お待たせ」

圭斗くんが現れた。

「あ、お疲れ様です。
衛藤さんもありがとうございました!」

「いえいえ、またね!」

そう言うと衛藤さんは
どこかに行ってしまった。
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