トラウマの恋
6


「おじゃましまーす。」


「へえー、茅菜ん家やっと入れた。」

って笑う彼をリビングに案内し
わたしはキッチンで飲み物を作った。


「ねえ、茅菜ちゃん?
飲み物とかいいからさ、


待てないんだけど。


早く来いよ。」

急に男の人って感じ。
と思いながらも彼の腕の中。

「好きだ」

そう言ってキスをしようとする圭斗くん。


って、「あーーーーー!待って!!」

急なわたしの声に怪訝そうな表情の彼。

「何?急に。俺今日お預けは無理だよ?」


「ロングの綺麗なお姉さん!!」

「は?」

「ロングの綺麗なお姉さん誰!?」

「いやまじでこっちが聞きたいわ、
誰よそれ。」


「この前お店行った時も
切ってあげてたじゃん!
あの人前も見たよ。」

彼はしばらく考えてふっと笑った。

「あーぁ、桃ね。」

とそのまま抱きしめてキスをしようとする。


「待って、ちゃんと教えて!
前も見たよ。二人で楽しそうに
歩いてるところ。」

彼は笑ってわたしの頭を撫でながら

「桃はね、俺のいとこ。
二人で歩いてるのはいつか分からんけど
この前は俺の好きな子見たいつって
わざわざあの時間に予約入れてきたんだ。」

“俺の好きな子”


この言葉だけで安心出来る。
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