トラウマの恋
side KEITO



ある日の夜。

その日はコンテストがあり、
モデルを使っての全身のフルセットを
競うという内容で
見事俺たちのチームが優勝した。

そしてその後同じ店のみんなが
祝賀会と言う名の飲み会を開いてくれた。


このチームのリーダーは俺で
もちろん祝杯の餌食。
飲むと言うか最後の方は
浴びてたんじゃないかと思うくらい
飲まされた。

解散するまではみんながいる手前
無意識に気を張っていたんだろう。

案の定今気分が悪い。
やばい。
これは一回電車から降りよう。





降りた途端体制を崩した。


本当にやばい。


それでも何とか駅のホームの端に移動し
吐いてしまった。

気持ち悪い。

どうしようも出来ず、
うずくまってしまった。


「よかったら、これ。」

顔を上げると
自分より少し若めの女の子。

ポケットティッシュと
今買ったばかりであろう水を手渡してくれた。


「…ありがと…ござ、いま、す」



そのまま女の子は去り、
代わりに駅員さんが来てくれた。


もらった水を飲んで少し落ち着き、
駅員さんにも謝罪をして家へ帰った。
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